霧の木曜日

コケシの1人ゴトhttp://rinnnedou.cart.fc2.com/鉱物と変態的日常のゴミ箱と化す予定 https://gagagaruisu.thebase.in

明方アバンギャルド

 


私はその時にづいては居なかった

それが私自身ではなく

私の隣にいた男だったと言う事を

 

f:id:kirinomokuyoubi:20190403170013j:plain

その日私は、夢のような眠りの中にいた

連日連夜の重労働により

私の細胞は、破壊寸前まで、崩れ落ちていたのかも知れない

毛布の感触が、肌に触れたときには、私の意識は、現実になかったと言える

 

その日私は、目を覚ますと、軽い朝食が、出来ていることに驚いた

別に誰かが作ったわけではない

私が自分の内の冷蔵庫を開けて、その中身で作ったのであるが

問題は、朝食を作るほど時間が有り余っていると言う事にある

普段であれば、朝食を作る時間など毛頭なく

有ってもそんなものを作るよりは、睡眠に一秒でも長く時間を割くだろう

しかし、いま現に、テーブルに並べられた目玉焼きとサラダ、そして、焼かれたトーストを見るに、時間が無かったわけではないのを、物語っている

嘘のような話だが、私はその日、会社に入って、三年目にして、ようやく、休日と言う物を、手に入れたのだ

そんな事を言うと、休日と言う物が、この世の中にあるように思えるが

それはある、確かに、存在はしているが

たった一日で、疲れが居痩せる事は無く

充電と言う名の睡眠にそれが割り当てられるだけで

実質は、何もする事の無い昼休みのような

無意味さを感じる

しかしどういう訳か、私は、小学校以来感じた事の無いような

そんなわくわく感と言うか

透明度を持って、朝食を前にしていた

しかしそこで私が疑問に思った

朝食を作るだけの(と言っても簡単な物かも知れないが)

そんな、食材が、冷蔵庫に入っていると言う事なのだ

普段、そんな生ものを、買いこまない

それどころか、冷蔵庫の存在を、私はその朝食を見つめて初めて気が付いたくらいだ

そんな私は、実に食べれそうな、外見をした

湯気を出してさえいる皿の上を見て

疑問に思う、本当に私が作ったのだろうか

しかしながら、記憶はある

確かに存在する

しかしなぜだろう、その曖昧な感覚は

これは

 

私はその時目を覚ました

カーテンが引かれた窓は、何年も開かれていないので

かなりほこりがたまっているのを

何か月も前から

明るい蛍光灯の光で、目にしている

そうか、夢なのか

その暗い部屋の中で、私は、目をさます