ごうもんみずあめ下ぶとん
私は、一時間ほど、水飴が、滴らさされた
下布団に寝ていた
起きると
外に出た
雪の積もった外は
私は、外套を、被ることで、少しながら寒さを、耐える
僅かに、水飴の粘着質なものが
寒さに当たり冷たく硬化する
私は、山の裾を歩く
斜面の道に沿い
錆びついた鉄と木で出来た頑丈そうな線路が
橋のように、私が歩いている道と同列するように、並んでいる
不意に、踏切に差し掛かると
遮断機が下りた
「ぴぽぱぽ」
耳に痛い警告音が鳴る
向こうから、線路を、ガタガタ言わせ
何かが、近づいてくる
この時間帯なら電車だろう
私は身を固くした
それは、えげつない音をさせ
横を走り去る
ただ、行先は光っているのに
車内はおろか
ライトさえ付けず
それは、疾風を、巻き上げて
冷たい私の体の水飴を、ぼろぼろと
無慈悲にもまき散らして綺麗にしていた
遠くで、線路のきしむ音が聞こえた