そうか
警部は、髭をなでながら
横目で、話し相手の足元から路地裏に向かった猫を斜め見していた
部下は、警部の顔を真剣に見て
今起こっている事件の概要を、詳しく話すが
やはり、警部の目は、横に逸れた
ー警部聞いてくださいー
権幕はあるが、部下の声は、たいして、このとぼけた上司の耳に届かないらしく
それじゃあ、各自、お昼にしてくれ
警部はそう言うと、仕事仲間たちは、蜘蛛の子を散らして、各自それぞれ
散っていく
ー警部ー
食事も仕事だ
そう言い残して、現場を離れる警部に向けて
一人部下は、睨み付けていた
彼こそが、今回の残忍な殺人なのだと誰も気づかづに・・・・・