暗穴の下から上を見上げて
暗すぎる
辺りには、人間の死体が転がり
そのほとんどが、骨をさらしている
地中に出来た空洞は
先日の地震で一部陥没してしまい
僕は、その探索に来ていた
僕は周辺の生えている木に、頑丈なロープを、結ぶと
腰に、しばりつけて下に落下を開始した
そこで、僕の手先に、妙な違和感を感じた
その原因を探るように、あたりを見渡すと
頭上に、人影が見えた
その瞬間
ロープをつかむ手の感覚が無くなり
全身を、浮遊感がつつんだ
目を開けると薄暗く
かなりの間、意識が動かなかったようだ
上を見上げると夕闇に染まっており
上空を黒い鳥が飛んでいた
僕は、骨に守られるように一人たたずんでいた